17 女でなくなることについて

20190418 木曜日

 

 おかざき真里の「サプリ」が面白かった。大手広告代理店に勤める女たちの、人生をめぐる苦悩について。恋愛、結婚、仕事、どうやって生きていくか、という。

 最近、身の回りでは「いつ結婚するべきか」「誰と結婚するべきか」「結婚にふさわしい人間はどこで出会えるのか」などの話で持ちきりだ。男の人たちはそうでもないでしょ、と思ったら、たしかに女性よりは緊迫感がないとしても、頭を悩ませているようだ。婚姻制度に疑義を呈するリベラルな女性でさえ、その話題には前のめりで、逃れられなさを感じる。平成も31になり、6年に生まれた私たちも年を取り、友人たちも結婚していったり、インスタグラムを見れば長く関係性を保っているパートナーと旅に出たり何かしたりしている。みんな。

 

 サプリで、「仕事をすればするほど男になっていく」「女じゃない生き物に」って台詞がどこかにあった気がする。どこの箇所だったか忘れたけれど、ああ、と思う。洗いざらしの髪の毛、化粧はペンケースに入れた試供品のCCクリームとマスカラとアイブロウなどで失礼のないようにする程度。徹夜や泊まり勤務で風呂に入らない。仕事関係で会っている人のためにきちんと化粧するのが憎い。億劫というより憎い。どんどん女じゃなくなっていく。

 ストレスはさまざまな方向に乱反射する。体調に出ることもあれば、絶え間ない飲酒、絶え間ない喫煙、絶え間ない食欲、絶え間ない食欲、絶え間ない食欲。病的な過食で、どんどん女じゃなくなって、何か別の生き物になっていく。私はいったい何に変化していくんだろう。