15 やる気について

20190413 土曜日

 

 「もっとできるようにならないと、やっていけないよ」「もっとがんばらないとだめだよ」「もうA年勤めているんでしょう」「やる気はあるの」。もう勤めてA年目になる。扱いが変わったな、と強く感じる。もう誰も育ててはくれないし、教えてもくれないし、やる気がなければ落伍していくのみ、のように思える。

 やる気を感じることなんて、ここ数ヶ月あまりない。が、今朝は久しぶりにぐっすり寝られて、家の掃除をしようと思い立ち、気持ちよく仕事に出かけることができた。気温が暖かいことや、日の光が家の中に差し込んできたからだろうか。小指の爪ほどのやる気も生まれた。職場に着いた瞬間、消滅しましたが。

 早く家に帰って早く寝て、早く起きてしっかり健康的なものを食べて、できるなら勉強や運動をして、しっかり休みを取れば、やる気も生まれるかもしれない。 やる気というのは当然、現時点の自分や能力から、望ましい自分や能力へと近づけていく努力のことを言い、努力とは望ましくない方向への欲望を律することだというふうに解しているが、今は、その努力に充てる体力を捻出するならば、眠りたい。食べたい。何もしたくない。

 けれどなりたいものはあるし、できるようになりたいことは山ほどある。疲労が癒えるたび、雨が降った次の朝、地面からただよう独特な匂いのように、希望や願望がふらふらと立ち上ってくる。英語、ドイツ語やロシア語、ルーマニア語をもう一度勉強し直したい。政治思想の文献を読みたい。ピアノやヴィオラを習いたい。痩せたい。刑法や社会福祉法の勉強をしたい。仕事の相手と仲良くなりたい。貯金したい。山に登ったり、走ったりしたい。

 とりあえず、1カ月後の健康診断で引っかからないように食欲を律したい。あまりにストレスがひどくて、歯止めが利かないくらい食べあさっていて、客観的に異常な状態にあるけれど、おそらくメンタルは制御できる。いつでもこういうときは、マルクス・アウレリウスを思い出す。